
協議離婚で、未成年の子供がいる場合、養育費に関しての取り決めは必ず行わなければなりません。
子供の面倒を見る方の親(養育者)は、面倒を見ない方の親(非養育者)から養育費の援助を受けることができます。
まれに、「養育費をもらわない代わりに、慰謝料をあげてもらった。」、「一生子供との面会をしない約束をさせて、もう一生関わりたくないし養育費は受け取ら無かった。」という人がいますが、養育費は子供の権利であり、子供のお金です。
私は、養育費は親の都合で削られるべきものではなく、きっちりもらうべきだと思います。

■養育費の定理
養育費って、そもそも何のことを言うかと言うと、『子供が立派に成人するように、育てていくために必要な費用』の事になります。
衣食住の費用、学校などの教育費、病気をしたときにかかる医療費、習い事や友達と同等の生活をするために必要な娯楽費、通学にかかる交通費等が養育費に含まれるのです。
ひとり親で育てていくとなると、子供を育てていくお金はバカになりません。
私の場合も、離婚当初子供は、未就学児だったので託児所や保育園への費用、食費、交通費、習い事のお金など・・・正直、自分の収入だけでは蓄えが少ないと感じることがありました。

今の世の中、大学進学は当たり前ですし、習い事にもお金がかかりますから、「貯金もしておきたい!」と、養育者の親はそう思うはずです。
毎月少しずつでも養育費を受け取るのと受け取らないのとでは、子供の将来の可能性が変わってくるのではないかと、子供を育てていてつくづく思いました。
だって、毎月数万円多くなれば、やりたい習い事をさせてあげられますし、行きたいところに連れて行ってあげられて、たくさんの経験をさせてあげることができますもの。
子供を育てないのならば、しっかりとお金を払って間接的にでも面倒を見てもらわなければなりませんね。
(1)子供と生活をしない親が支払いをする
父親と母親が離婚した場合には、未成年の子供はどちらか一方についていくことになりますが、非養育者の親も、一生”その子の親”である事実は変わりません。
両親2人とも、子どもを養育する義務があり、離婚したとして、子供の面倒を今後一切見ないにしても、子供に対して養育費を支払う扶養の義務(生活保持義務)が生じます。
そのため、養育者である親は、非養育者の親に養育費の支払いを命じることが可能なのです。
■養育費で決めたい事
(1)支払期間
何歳まで養育費をもらうのか、しっかり取り決めを行っておきましょう。
一般的には、成人する20歳までという事ですが、現代社会では大学までの進学率が随分高くなってきています。
そこで、「子供が20歳になる月まで、もしくは大学等の教育機関を卒業するまで(一般的には23歳前後)」という事を追加することができます。
ただし、23歳まで伸ばすにしても、両親の学歴が左右します。
法律では、両親が義務教育以上の教育を受けているのならば、”それ相応の学業”を子供も受ける権利があるとみなされます。
(2)支払方法
1:『手渡し』か『銀行払い』
支払方法は、大まかに銀行払いと直接現金で支払う方法があります。
手渡しの場合は、子供との面会時に直接受け取ればいいでしょう。
直接もらうので、きっちりと支払ってもらえる安心感はありますね。
非養育者が面会をしない場合などは、銀行払いが最も適切でしょう。
私の場合は、銀行払いで毎月末に振り込むようにしてもらっています。
2:『一括払い』か『分割払い』
一般的には、毎月支払う分割払いが多いでしょう。
ただし、非養育者が(子供の年齢にもよりますが)毎月きちんと、それも数十年にわたって、支払ってくれるかと言うと、そうもいかない場合が多いです。
相手に経済力があって、一括で支払ってくれるのであれば、その方が安全でしょう。
支払いが滞ってトータルでもらえる金額が少なくなるよりも、多少金額が少なくなったとしても一括で支払ってもらう方がいい場合がありますので、相手の性格と経済力を見据えて適切な判断ができるといいですね。
(3)支払金額
『いくら支払いをするのか。』という事は必ずもめることだと思います。
まず頭に入れておいてほしいのは、『親が受けてきたのと、同程度の生活を子どもも送る義務「生活保持義務」が生じる』という事です。
養育費は、『一般的にいくら支払うべきか』という事で簡単に決められるものではありませんので、両親の経済力や生活水準(現在も子供の時も)で判断することになります。
大体の金額を知りたいのであれば、養育費の算定表と言うものがいくつかありますので、それを参考にしてみるといいでしょう(養育者からしたら、思ったよりも安い事に驚くはずです)。
養育費と言うのは、親の収入レベルを標準にして取り決められるので、母親に経済力がなければ、父親が支払う金額が多くなるという具合です。
勿論、両親の収入や資産、職業、社会的地位などによって左右しますが、子ども1人で月2〜6万円、子ども2人で月4〜6万円という枠に収まることが多いです。
毎月1万円でも、5千円でも違うとなると、毎月、数十年間支払われる養育費ですから、つもりに積もると生涯受け取る合計金額はずいぶん変わってきます。
子供の為にも、妥協をしない取り決めをするといいですよね。

(4)支払い先
銀行での支払いの場合には、支払い先を子供の名義の銀行口座にしておくといいでしょう。
これは、『養育費は子供に支払われる金員』という事のほか、親の口座に支払われると”収入”とみなされて、税金が生じる場合があるからです。
通常養育費として支払われるお金は、非課税ですから、子供名義の銀行口座に振り込んでもらえば税金がかかることはありません。
私の場合も、子供はまだ小さく銀行口座も作っていませんでしたが、旧姓に戻してすぐに子供名義の銀行口座を作り、そこに振り込んでもらうようにしました。
■養育費の取り決めがまとまらなかった場合
養育費は、最も揉める取り決めの一つです。
養育者からしたら、子供にかかるお金と言うのはばかにならないから、少しでも多くもらいたいものではありますし、非養育者からしたら毎月数万円の出費と言うのは痛手ではありますものね。
もし取り決めがまとまらなかったら、調停に持ち込むことになります。
ただし、調停では家庭裁判所などが公開している”妥当額”に収まる場合がほとんどです。
細かいケースは家庭によってさまざまなのに、両親の収入で決定される事実があります。
ですから、養育費の取り決めを行う際にはまず、『妥当額』を知っておくと良いでしょう。
協議離婚で、妥当額とかけ離れた金額を相手から言い渡されていて、自分が納得できないのであれば、離婚調停に持ち込むのはやむ負えませんね。

養育費は、別れた配偶者に支払うものではなく、子供の権利という事を忘れないでください。

子供と離れて暮らしても、親となったからには、その子の一生の責任を負わないとならないんです。

養育費を受け取る養育者も、支払う非養育者も、子供の事を第一に考えた決断ができることを願います。
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