
不倫での離婚とは、どこからともなく混みあがってくる怒りがあって、「慰謝料をできる限り、配偶者と不貞相手の両方からふんだくってやりたい。」と感じるはずです。
感情が突っ走ってしまうかもしれませんが、不倫によって傷つけられたこの気持ちに対する慰謝料に関して、ちょっと落ち着いて考えてみましょう。
■不貞行為で慰謝料をもらう
不貞行為は、列記とした不法行為です。

ですから配偶者は、不貞行為を働いた一方と、その関係をもった相手(不貞相手)にたいして、損害賠償請求(慰謝料)をすることができるのです。
「暴力や、性格の不一致での離婚をしようと思ったけれど、調べていったら浮気が発覚!」なんてことも少なくはありませんから、どんな離婚の場合でも『浮気で離婚をする場合の条件』を知っておくことは大切です。
まず、慰謝料を請求するには、以下のポイントを押さえていなければいけません。
(1)肉体関係がある事
法律的には、肉体関係がなくしては慰謝料が発生することはありません。
この点をしっかりと、証拠として押さえておくことが大切です。
(2)婚姻関係が破綻していないこと
夫婦間の婚姻関係が、不貞行為が行われる前から、破綻していた場合には、慰謝料請求は認められない場合があります。
これは、浮気が起こる前から、長期間にわたって別居状態が続いていたり、事実上の婚姻関係しか持たれていない場合には、慰謝料の支払い義務がないと判断される場合があるのです。
別居状態の期間は、夫婦の婚姻期間や、状況によって違いますが、5〜6年以上の長期であれば、婚姻状態は事実上破たんしているとみなされます。
気持ちの面で、「相手に愛想を尽かしていた」という事実があっても、同じ屋根の下に住んでいて、しっかり婚姻関係が持たれていたのであれば、夫婦関係は継続していたとみなされるので安心してください。
正直、浮気をするような配偶者には、そもそも嫌悪感を持っていないはずもないですし、 ちゃんと家庭内での自分の役割を果たしていたのに、浮気と言う行為で裏切られたのであれば、損害賠償権が発生しますよ。
(3)虚偽の有無
これは、「不貞相手に罪が生じるか?」という事が争点となります。
たとえば、配偶者が不貞相手に対して、「自分はシングルである。」と、”ウソ”をつき続けていたのであれば、不貞相手に対して、損害賠償責任は生じなくなる可能性があるのです。
特に女性は、不貞相手にも慰謝料請求をしたいところではありますが、配偶者が100%ウソで塗り固めて、偽りを貫いていたのであれば、不貞相手に慰謝料の支払を求めることは難しくなります。

しかし、その場合は配偶者が100%慰謝料の支払いに責任をもつ行うことになり、自分の懐に入ってくる慰謝料の金額は変わりませんから、安心してください。
(4)時効を迎えていないこと
私は、当初はっきり知らなかったのですが、不貞行為には、事項が生じるのです。
不貞行為を理由とする損害賠償請求権に生じる時効は、不倫の事実を知ったときから3年間となります。
3年と言う期間は長いようで、案外短いですので、放置していては慰謝料請求ができなくなりますので注意しましょう。
良くあるパターンは、『不倫を一度許した・見て見ぬふりをして流した場合に、過去の不倫を掘り下げて、相手に慰謝料請求をするパターン』ですが、時効を迎えていては、相手に支払い義務がありません。
また、「数十年後に、配偶者から入籍当初の浮気の事実を打ち明けられた。」というご年配の夫婦のでき事を耳にしたことがあります。
『過去の事でも浮気する人とは一緒にいたくないから、離婚をする!』と、熟年離婚を願う方はいらっしゃるでしょう。
そういったときに注意したい事は、”不貞行為が行われていた時から20年”という時間が大切になります。
20年以上たってしまっては、慰謝料請求できなくなってしまうのです。

■慰謝料の金額
(1)慰謝料の相場って?
慰謝料に相場と言うものは、あるようでありません。
夫婦の合意のもとで執り行われる協議離婚ではなおさら、相手が1000万円で合意すれば、慰謝料は1000万円ですし、逆に『10万円しか支払わない』という相手に合意をしてしまえば、10万円の支払い義務しか生じません。
とは言え、”どれくらいの金額を請求できるのか”と言う、ある程度の目安を知っておくべきですし、知りたいですよね。
不貞行為が原因で離婚に至った場合には、300万円以内がほとんどで、たった5%が300万円〜500万円を受け取っています。
離婚する夫婦は、100万円〜300万円というものが相場になっています。
もし、離婚するまでに至らなかった場合は、大体50万円〜200万円の支払いが一般出来です。
とは言え、慰謝料の金額を決定には、不貞行為を行っていた期間、夫婦関係の修復ができるか、夫婦や不貞相手の社会的地位や収入の金額、子供の有無、その他経済的などの損失等、本当にケースバイケースとなっています。
慰謝料には、感情論も絡んできますので、一概に”使える”とは言えませんが、婚姻期間や夫婦の収入から調べる、算定表と言うものが存在しますので、一度『自分がどれくらい取れるのか』調べてみるといいでしょう。

(2)慰謝料は不貞相手から支払われる合計金額であるという事
この、慰謝料の額は、基本的には「配偶者と不貞相手から支払われる合計金額」になります。
悲しいですが、法律的には1人1人からこの金額を支払ってもらえるわけではないのです。

割合は、ケースバイケース(慰謝料を請求する側の感情や、支払いの能力次第)ではありますが、不貞相手からはマックスで50%というのが大半になります。
女性は、『不貞相手も(が)許せない』と感じて、不貞相手が支払う金額が増える傾向があるようですが、私の場合は大体「元旦那が55%、不貞相手が45%」という割合で、慰謝料の請求をしました。
不貞行為は、何ともやるせない気持ちがありますから、「取れるだけ取ってやりたい!」と思いますが、あまりにも高額な金額を請求して、相手に拒否をされてしまっては仕方ありません。
まずは大体の慰謝料の相場を知っておくことが大切です。
もし、妥当額でも支払いを拒否をするのであれば、弁護士を依頼した協議離婚に持ち込むなり、調停離婚に持ち込むなり、手をうたなければならなくなりますね。

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