
モラルハラスメントとは、すなわち家庭内においての言動での暴力の事を指します。
手を挙げることはないにしても、相手に重大な精神的苦痛を浴びせる事となるので、知らず知らずのうちに相手を苦しませているのです。
一般的にモラルハラスメントは、モラハラと訳されることがおおいです。
言葉の暴力も立派な不法行為で、心の病や自殺を招く大きな要因となりうるため、協議離婚でも重大な争点として立証することができるのです。
■まずは、モラルハラスメントを理解すること
モラルハラスメントは喧嘩の延長線上と考えてしまうかもしれませんが、そうではありません。
一方的に誹謗中傷的な発言をされて、大きな精神的苦痛を受けていれば立派なモラルハラスメントとして訴えることができるでしょう。
モラルハラスメントを受けている方は、悪く言えば、『自分が悪いから、この様な事になったのではないか?』と考えてしまう”自己非難型”、良く言えば『自分さえ我慢すれば円満にいく』と考えてしまう”我慢強い”性格の人が多いため、自分が被害者と理解できていることが少ないという点が難点です。
モラルハラスメントをしている夫・妻の方も、配偶者を自分より低俗とみていたり、心の中でばかにしているので、『自分の配偶者(子供)に対する暴力的な言動は当たり前だ』と思っていて、加害者であることを認識していない場合が多いのです。
そのため、こういった言動が複数回にわたって、長期的に行われてしまうことがよくあります。
離婚を突きつけたところで、モラルハラスメントをするような人は、「お前が悪いから、こういう態度を取っているんだ!」、「お前の望む通り離婚をしてやるから、慰謝料をよこせ!」などと、自分を正当化するような言葉ばかりをならべて、逆切れまぎれな事ばかり言ってくることでしょう。
そこで、モラルハラスメントに悩んでいる方の中には、心の中「離婚をしたい」とおもっていても、相手に突きつけることをせずに我慢している人が多いと聞きます。
協議離婚となるにあたって、この様な言動ばかりしている性格の人とまともに向き合うことは難しいでしょうから、まずは身近な人を含め、専門家、精神的な苦痛が大きければ精神科に行くなど、頼れる範囲で様々な人に相談をしてみましょう。
■モラルハラスメントの例
それぞれの家庭で色々なパターンがありますが、どのようなものをモラルハラスメントというのか、自分は加害者・被害者ではないのか、しっかり理解しておきましょう。
(1)口をきかない・無視をする
家には帰ってくるけれども、一方的に無視をする場合です。
こういった行動は、自分を人間として非難されているように感じて、大きな精神的苦痛を感じますものね。
(2)子供の教育に協力的でない
「自分は仕事をしているから、家事はお前がやるのは当然だ」そんな対応をされるのは、立派なモラルハラスメントとなります。
子供の面倒は、夫婦2人が協力してみるものです。
(3)自己中心的である
自分の事しか考えない配偶者っていますよね。
そもそも自分が悪いのに、自分の行動をすべて正当化するような発言ばかりで、相手に濡れ衣を着させるような発言も立派なモラルハラスメントになります。
相手をバカにしたり、奴隷や家政婦として軽蔑するような言動発言は、あってはならないことですし、十分論点として取り上げることができるのです。
(4)お金に関してぐちぐち言う
家庭内でのモラルハラスメントでよくあげられるのが、お金の問題です。
自分勝手な性格の人が加害者には多いですから、”自分の給料は自分のモノ”と考えている場合が多いのです。

実際にお小遣いや生活費を手渡さないことはもちろんのこと、支払いをしていても”ケチ”な発言をする場合は、大きなストレスを与えられますよね。
「誰のお蔭で生活できていると思っているんだ?」、「お前は金食い虫だ、おれのお給料を分け与える価値はない。」そのような発言は問題として扱われます。
専業主婦(夫)などで、仕事をしておらず、配偶者のお給料に頼らなければならない場合にこんな発言をされては、自分を責めたくもなってしまいますよね。
■モラルハラスメントの証拠集め
モラルハラスメントは言葉の暴力である為、ドメスティックバイオレンス(DV)に比べて有力な証拠を集めることは難しいです。
それに、家庭内、二人でいる時にのみ行われる場合が多いですので、第三者の証言を借りることも難しいでしょう。
でも、「これだけ精神的に追い詰められ来たのだから、最後位自分の苦痛を思い知らせてやりたい!!」と思いますよね。
では、どうしたらいいのでしょうか?
(1)音声の録音・動画での撮影
チャンスがあれば、相手の声を録音・撮影してみることが大切です。
相手は、感情的になっているので、自分の言葉や行動がどれだけ相手を傷つけているのか、はっきりと認識をしていないことが多いようです。
協議離婚でテープを持ち出したら、有力な手掛かりになりますし、相手が冷静に自分の行動を見直すきっかけとなります。
(2)相手からのメールやメモ
現代は、昔よりも便利な社会ですので、個人的な要件を手軽にメールに残しますよね。
そういったメールやメモの中身に、貴方を傷つけた重大な一言があれば証拠として出すことができます。
(3)日記に書く
『録音や撮影で記録に残すことも難しいし、今までのメールや手紙も保存していない。』と言う場合は、どのようにしたらいいのでしょうか?
こういった証拠がない場合、泣き寝入りになってしまう人は少なくありませんが、あきらめることはまだ早いです。
まずは、記憶が新しいうちに、貴方と配偶者が付き合った経緯・婚姻に至った経緯・婚姻生活中の状況などを時系列で書いていくといいでしょう。
そこでポイントは、貴方が感じた事や思ったことも一緒に書いておくことです。
イベントのときどきで相手に言われた言葉、傷ついた度合い、どんな経緯でそんなことを言われたのか、思い出せる範囲で書いていきましょう。
モラルハラスメントと言うのは、一つ一つの言動のみでは『日常に起こりうることで、大したことが無い』と取られてしまうことが多いのですが、そういった事が”日常的に行われていた”となれば話は別です。
人を傷つける、悪意ある出来事であります。
数年、数十年の出来事をつづっていくのは、地道で大変ではりますが、重要な資料となりますので頑張って書き出していきましょう。
ちなみに私も、離婚を決めたときに、『時系列で思ったことを書き出すと有力な証拠になる。』と言われて、書きました。
思っていることを書き出してみることで、自分の考えがまとまって、意外とストレスが軽減されるというメリットもあったので、どちらにしても記録を残すことはお勧めです。

モラルハラスメントは、目に見えるものではありませんし、我慢をしてしまいがちですが、辛い思いをしてきた分泣き寝入りをすることはしたくないですものね。
他人からしたら大したことではなくても、当人からしたら重大な苦痛を味わっていますもの。
モラルハラスメントをするような人とは、精神的に未熟で、自分の非を認めずに正当化することしかできない人ですから、協議離婚でまとめるのは難しいかもしれませんが、協議離婚では今までの味わった苦痛を相手に思い知らせてやりましょう。

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