
まれに、協議離婚を設けたけれど「離婚」を取消したいという場合があります。
こういった場合はどうすればいいのでしょうか?
■離婚届は双方の合意がなければならない
本来、離婚届と言うのは、双方の合理が無くては受け付けられません。
しかし、記入漏れなど無く、キチンと夫婦のサインが押されている場合には、受理されてしまうのです。
一度離婚届が受理されて、戸籍上で離婚が成立してしまうと、離婚の無効を訴えることは大変難しく、手間がかかってしまうのです。

■離婚の取り消しをしたい例
(1)当初離婚をしたかったけれど気持ちが変わった場合
確かに自分の意志で、一度離婚届にサインをしたけれど、気持ちが変わってしまう場合もあるでしょう。
これは、たとえば「離婚をしたいけれど、”今届け出を出したくない”」という場合などです。
協議離婚が始まった・始まる前に離婚届を書いて(書かされて)、相手に渡してしまったけれど、まだ取り決めが決まっていないし、今出されてしまれては困るという場合などがありますよね。

(2)相手に脅されて書かされた場合
ドメスティックバイオレンスやモラルハラスメントを加える配偶者であった場合、脅されて離婚届にサインをさせられてしまう場合がこれに当たります。
自分の意志とは反して、欠かされている場合もありますから、この様な場合は無効にすることができるのです。
(3)相手が勝手に記入して提出していた場合
協議離婚での取り決めすらきちんと決めていないのに、相手が勝手に離婚届に、両者(夫婦2人)のサインをして提出してしまうことも、できなくはありません。
勿論、合意のもとで行われていないので違法行為ではありますが、たとえ偽造された離婚届が勝手に提出、受理されてしまったら、役所が簡単に取り消しをすることができずに、撤回することは厄介になってしまします。
■離婚届の不受理申出書を提出しておくこと
先に離婚届を提出されてしまっては、取り決めの決定に支障が生じたりします。
たとえば、親権者の欄に勝手に記入されてしまっては、”親権”を主張して、子供を連れ去られる可能性も無くはないですしね。
協議離婚をスタートさせる前に、「離婚届の不受理申出書」を提出しておくと、相手が不正に出してしまうことが防げるので、心配であればお勧めいたします。
「離婚届の不受理申出」は何かと言うと、「離婚届が届けられても、受けつけないでください」という意思を 役所に申し出すものなのです。

だから、相手が勝手に離婚届を出そうとしても、 役所では離婚届を受理しないようにお願いすることができますよ。
まだきちんとした離婚協議での取り決めを行っていないのに、離婚届を提出されては困ってしまいますし、相手が、そんな行動に出るようなことが予想できるのならば、「離婚の不受理申出書」を出しておいても損はありませんよ。
ただし、一度出したら効力は6ヶ月間しか持ちません。
6ヶ月を経過しても、まだ離婚届を受け付けて欲しくなければ、 再度、「不受理申出書」の届出を提出しなければならないので、注意してくださいね。

その後晴れて、離婚協議が成立して、離婚届を提出したいときには、「不受理申出取下書」を出せば、いつでも撤回することが可能です。
これら用紙は役所に置いてありますので、必要事項を記入して、夫婦の本籍地か夫婦の所在地のある 役所に提出しましょう。
■既に離婚届を提出されてしまったら
「不受理申出書」を提出する前に、離婚届を提出されてしまっていたことが発覚したらどうすればいいのでしょうか?
(1)離婚の取消しの届出
3ヶ月以内に、「離婚の取消しの届出」にて、離婚届の誤りを訴え出ると離婚の効力を消すことができます。
この3カ月と言うのは、離婚届を署名してから、相手からの強迫が止んだときから・騙されたと分かったときから(モラルハラスメントやドメスティックバイオレンスの場合)となります。
(2)協議離婚無効確認の調停
離婚の取消しの届出がうまくいかないとなると、「協議離婚無効確認の調停」を家庭裁判所に申し立て無ければならなくなります。
その際には、離婚の意思が無かったことを明かにしなくてはなりません。
まずは、調停の場で離婚届を不正に提出した相手に”謝りを認めてもらうこと”、そして”お互いに離婚を撤廃することに合意”すれば、離婚が無効であったという審判が下されるのです。
(3)地方裁判所に離婚無効の確認の訴え
調停でまとまらなかった場合には、地方裁判所にて「離婚無効の確認」を訴え出なくてはなりません。
裁判での離婚無効の判決が受理されたならば、1ヶ月以内に審判または判決の謄本をもって、離婚をしたという事実を訂正してもらうように、戸籍係に申請をして、戸籍上からは”離婚”の事実が抹消されます。
まずは、協議離婚がきちんと成立していない・相手の離婚条件に納得ができていない場合には、離婚届にサイン・捺印をしないようにしましょう。

相手に離婚届を預けることも禁物ですね。
そして、トラブルを回避するためにも、面倒であっても2人で提出するか、自分が提出しに行くと言うようにしましょう。
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