
子供がいる夫婦が離婚をしたとき、どちらか一方の親が子供を引き取ることになります。
親権を得なかった親だって、離れて暮らしていても子供に変わりはありませんから、会いたいと思うのが当然ですよね。

■面接交渉権とは
この、引き取った側ではない親が子供に会える権利と言うのが、『面接交渉権』と言うものになります。
たとえ、戸籍上では夫婦関係を終わらせていたとしても、子供と”親子”であると言う事実は、一生消えることはありません。
それに、親子が存在している限り、法律上でも親子の関係は消し去られることはないのです。
そのため、たとえ親権や監護権を得なかった親でも、一定の間隔で子供に会う権利、つまり『面接交渉権』があるとみなされます。
そこで、この「面接交渉権」を子供本人、もしくは親権(監護権)を得ている親に主張することで、子供に会うことができるわけですね。
■面接交渉権を主張しても会うことが難しい
面接交渉権があるとはいえ、キチンと子供と会うことができるかと言うと、会うことが難しい場合が多くあります。

親権を得た親が、離婚をした親に「子供をあわせたいか?」というと、そうでもありません。
相手に不満があって離婚をするわけですから、不信感を抱いていたり、もう何もかも信用していない場合が多いでしょう。
「子供が連れ去られたらどうしよう・・・」、「子供がけがをさせられたら・・・」、「子供に何か悪影響な事をしているのでは・・・」、「子供に私の陰口など伝えていないものか・・・」、など感じて、非親権者の親に会わせることを躊躇する人が大半です。
もし、子供が中学生よりも大きいのであれば、自分でもう一方の親の元へ会いに行くことだって、自主的にできますけれど、小学生以下の子供はそうもいきません。
乳幼児であればなおさら、子供に会えるか会えないかと言う問題は、養育者の親にかかっています。
子供に電話をかけても本人にはかわってもらえなかったり、せっかく送った手紙やメールは全て消去されてしまったりする可能性があるのです。
そうなると、自分の影は全て子供の前から消されてしまって、どう願っても子供とのコンタクトを取ることができませんよね。

そのほか面会する際に応じる問題は、小さい子供を非養育者の親が会うという事は、離婚した夫婦が再会しなくてはならないという事です。

子供を面会の場所に連れて行くときには、親権者の親は非親権者の親が待っている場所に、一緒に出向いて待ち合わせをしなければなりませんね。
離婚をしたからには、もう一生会いたくないという人が多いでしょうから、相手に会うために、その場所に出向くことは、大きな抵抗感がうまれるものなのです。
夫婦間のいざこざや、養育者が非養育者に対して抱いている嫌悪感等から、面接交渉権は当然の権利とは言え、子供に面会することが難しくなるのです。

■面接交渉権の取り決め
子供の事となると、将来もめることは目に見えています。
特に、親権をどちらも譲らずにいた親ならばなおさら、細かい事でもめるはずです。
お互いに子供の事を愛しているからこそもめるのに、(事実上の)両親がもめて一番悲しむのは子供ですよね。

離婚後にもめて更に相手の嫌なところも見たくないですし、子供に親の悪い対応を見せないためにも、協議の間に詳細まで取り決めをしっかり行っておくべきでしょう。

<決めておくべきこと>
(1)頻度
月に何回程度会う事を認めるのかと言う点は、必ずもめます。
子供のことが好きならば、できる限り多く会いたいと思うはずですが、そう頻繁に会うことは色々な意味で、親権者の親は不安で仕方ないでしょう。
お互いに負担にならず、フェアな形で、なおかつ子供が一番幸せなパターンを考えてみましょう。
(2)時間
一回どれくらいの時間を認めるのか。
毎回何時から何時までなどと、細かいですが決めておいた方が、後あともめないでしょう。
(3)宿泊はありなのか
宿泊となると、親権者は心配でしょうが、非親権者は普段過ごせないからこそ、子供と夜を共にしたいと感じる人もいるはずです。
相手にもよりますが、子供の事を第一に考えてみましょう。
(4)会う場所はどうするのか
これは、毎回の待ち合わせの場所という事です。
子供を引き渡す場所はどこにするのか、毎回同じ場所なのか、決めておくといいでしょう。
(5)面会以外の接触
面会する以外にも、子供とコンタクトを取ることを認めるのかどうするのかも考えなくてはなりません。
たとえば、クリスマスや誕生日、お正月などのイベントの時には、子供と連絡を取りたいと思うはずです。
(6)面会するときの連絡先
年齢にもよりますが、母親に連絡をするのか、子供に直接連絡をするのかを取り決めをしておくべきでしょう。
(7)物を渡して構わないのか
面会以外にも、モノを買ってあげたり、プレゼントをすることを認めるのかも話し合いをしましょう。
離婚をしたときに、親同士が険悪であれば、子供に買ったものとはいえ正直見たくはない、家に置いておきたくないと感じることもあるでしょう。
折角買ってあげたものを捨てられたら腹が立ちますし、子供も複雑な気持ちになり、とても悲しみます。
そういうことで、いざこざにならないためにも、取り決めをしておくべきです。
面接交渉権も親権と同じように、親ならば子供の事を第一に考えてた行動をとれるが一番いいですね。

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